SIerからWeb系への転職でよくある13の疑問・不安のQ&A

SIerからWeb系への転職でよくあるQ&A

このページでは、転職エージェントでIT業界のキャリアアドバイザーを務めるA子さんに、私がインタビューした内容を掲載しています。A子さんは、大手総合転職エージェントに勤務し、SIerからWeb系への転職サポートを何度も経験しています。

どんなSIerの人が、Web系に転職していますか?

A子従業員10人~300人までの小企業のSIerの人が多いです。「○○情報株式会社」「株式会社○○テック」といった誰も知らないようなIT企業は東京を中心に山ほどあり、そういう会社の社員が多い。SIerといっても、自社製品の開発や社内での受託開発ではなく、社員を採用して客先常駐させるという特定派遣の会社の人がほとんど。

システム開発業界では、NTTデータをトップにして、富士通系、日立系の会社がピラミッドの上層にいますが、そういう会社の人、転職しても今の会社以上に条件がよくなるケースがありませんので、結局、転職に至りません。

日立や富士通系でも、日立ソリューションズ○○○○、富士通○○○○のような子会社の子会社のような人はたまにいます。しかし、大半の人は冒頭で挙げたようなもっと小さいSIerの人たちです。子会社の子会社の、その下の、さらに下のポジションの4次請けで案件に参加するような企業の人です。

そのような小企業のSIerの人は、給料が相場よりも100万円も低いことも多々あり、社内開発ができる上に、給料も上がるという事になりますので、転職を決断しやすい環境にいるからです。

どんな理由で、Web系に転職したいと考える人が多いのですか?

SIer出身者が、Web系に転職したいと考える理由で圧倒的に多いのが、「自社勤務したいから」です。Web系の企業はすべて、自社勤務になります。つまり、憧れのプロパーになれるわけですね。

詳しくはこちら >>SIerからWeb系への転職希望者が急増中!圧倒的に多い理由は「○○したい」

Web系に転職すると給料は下がりますか?

SIerはB to Bビジネス、Web系はB to Cビジネスなので、同じ規模であればSIerの方が給料は高くなります。SIerの方が、報酬単価が高いし、安定して仕事を獲得できるからです。B to Cは自社サービスなので、外れたら会社としての収入がありませんので、SIerより高い給料を出すのは難しいです。

ですが、SIerの多くのエンジニアは適正年収よりも低いため、Web系に行っても給料が下がることは少ないです。

詳しくはこちら >>SIerからWeb系への転職、給料面で知っておきたい2つのこと

Web系の企業に入ると必ず自社開発できますか?

A子B to Cビジネスを行う企業は100%自社開発です。ただだし、一見、Web系の企業に見える、B to B to Cビジネスの会社では、「Web系のSIerです」とうたっている場合があります。

B to B to Cビジネスとは、「B to Cビジネスを行う企業」を支援する企業のことです。なので、間接的にはB to Cビジネスに携わることができても、実際は「B to Cビジネスを行う企業」に常駐することがありえます。そうなると、自社開発ではありません。

例えば、Web系の企業であるヤフーがあります。D社はヤフーから仕事を請け負っています。あなたはD社の社員として採用され、ヤフーに常駐することになりました。このとき、あなたはD社の社員なのですから、自社開発とは言えませんね。

このようなB to B to Cの企業もあるので注意してください。

のりっく分かりました。では、B to Cの自社サービスを持っている企業は、100%自社開発と考えてよいですか?

A子そうですね。B to Cのメインの自社サービスがあたっているところ、安定的な収益構造があるところは、100%自社開発と考えてよいと思います。ただし、私の知っている企業様だと、「B to Cの自社サービスもやっているけど、それだけでは食べていけないので客先常駐もやっています」という企業もあります。とくに、小さい企業になればなるほど、そういう話を聞く機会が増える印象です。

のりっくまあ、そうですよね~。それだけB to Cだけで食っていくというのは、難しいということなんですね。

私でもWeb系の自社勤務に転職できますか?年齢は関係ある?

A子33歳までで、年収が減っても良いということであれば、どこかしら内定は出てます。34歳以降でも、Java、C#、Ruby、JavascriptなどWeb系の企業で使用されている言語で、直近まで手を動かしているのであれば、可能性があります。Javaの経験があった人で、38歳で転職に成功した例もあります。

のりっく私が転職活動中に会った、東証一部上場のアフィリエイトASP事業会社の採用担当者の人は、面接中に「先日42歳の人を採用したばかりです」と言っていました。個人的には、難しい条件の転職希望者の夢を叶えるということが、転職エージェントの腕の見せどころだと思います!

詳しくはこちら >>どうすればSIerからWeb系へ転職できますか?

私がやってきた言語でも大丈夫ですか?

のりっくどうすればSIerからWeb系へ転職できますか?で詳しく記述しましたが、まとめました。

OK!こんな言語で最近まで手を動かしていたら可能性あり

  • Java
  • C#
  • Ruby
  • Go
  • Java Script 他

NG!こんな言語しか経験がなければ難しい

  • COBOL
  • VB.NET
  • SAP(abap)
  • 汎用機回り
  • JP1などインフラ関係のツール

SIer出身者に人気のWeb系企業は?

のりっくSierに勤めていて、Web系に行きたいという人がよく口にする転職したい企業はどんなものがありますか?

A子そうですね、こんな企業をよく聞きます。

  1. ヤフージャパン
  2. サイバーエージェント
  3. DeNA
  4. DMM
  5. GREE

のりっくGoogleは入ってこないんですか?

A子Googleに行きたいっていう人もたまにいますが、まず無理なので…笑 あと、GMOさんもありますが、あんまり知らない人が多いです。30代の人に言うと「おっ、GMOか…」と言われますが、若手の20代の人にはあんまりぴんとこないようです。外国籍の人に私はおススメの企業です。

のりっくこういった企業は、年中採用しているんですか?

A子そうですね。こういう企業は年がら年じゅう通年採用していて、社員の知人とか、自社で紹介している勉強会とか、○○テックのようなイベントでいい人がいればスカウトしてくるとか、そういう傾向はあります。ですが、基本的には一年中開いていますね。

のりっくちなみにこの辺の企業は、中小企業のSIerからでも入れるもんなんですか?

A子うーん…ヤフーさんは言語と20代であればって感じなんですけど、それよりも技術面での自己研鑽をどれだけしているかですね、この辺の大手になると。

○○テックのイベントに参加していますとか、Githubでこういうコード書いていて、自分でアプリケーションを公開していてとか、そういう人だと可能性があったりするんですが、実際に受かってるかというと、あんまり受かってる印象はないですね(笑 いっぱい内定が出てる印象はないですが、「おっ、すごい、この人内定出たんだ」ということはたまにあります。

転職エージェントによって、企業側から見た転職希望者の優劣って変わりますか?

のりっく例えば上記のような人気企業を受けるとして、転職希望者が使用している転職エージェントによって採用されやすい・されにくいって、ないと思うんですけどどうですか?つまり、人気企業に転職するにあたって有利な転職エージェントってありますか?

A子いや、それはないと思います。

ただ、あるとすれば、採用する企業と、転職エージェントがどれだけ仲が良いかというのは正直あると思います。ただし、それで受かるかどうかっていうのは別の話ですね。採用担当者と仲の良いエージェントが「この人おススメだから会ってみてくださいよ」って言われると、採用担当者は「あたながのおススメだったら会いますよ」っていうぐらい関係が作れていると、一次面接はいきやすいぐらいはあると思います。

でも、内定を出すかどうかというレベルには全然関係ないですね。

のりっくそうですよね。もしその仲が良いエージェントの紹介だから採用するっていうのをやっていて、仲の良くないエージェントの本当に優秀な候補者を落としていたら、採用担当者はアホですもんね 笑

A子あとは、面接対策とか書類対策という意味では、担当のキャリアアドバイザーの腕にかかってる面も出てきますね。

人気Web系企業の採用基準は?

のりっくヤフーなどの人気のWeb系企業ではどんな採用基準がありますか?

A子技術、人柄です。それに加えて社風にフィットするかということがあります。

ですが、まずは「技術があるかどうか」で大きく分かれます。技術がなくてもポテンシャルで見てもらえるというのは、25~26歳までです。27歳以降はポテンシャルではなく、実績としての「技術があるかどうか」が必要です。

技術がなくても、25~26歳ぐらいまでなら、「なんかこの人勉強してるし、大学院も技術系だし(例えば東京工業大学)、なんか意欲の見せ方・伝え方でいけるんじゃないか?」というのは、面談をしていて考えることはあります。

逆に27歳以降の方で、技術は足りてるんだけど、人柄、コミュニケーション力が足りないとか、意欲が伝わらないとかだと、アドバイスをめちゃくちゃ頑張ってみようと思いますね。技術さえ足りていれば、後はキャリアアドバイザーの腕次第でなんとかなることがあるので。

のりっくなるほど。やはりエンジニアという技術職は、まず技術力があることが前提ということですね。

A子そうです。技術力はあるけど、面談をしてみて、「話がごにょごにょする」とか、「意欲の伝え方が弱い」とかそういう面はカバーできます。

のりっく分かりました。では、「技術があるかないか」っていうのは、どのように判断していますか?

A子要素としては、言語、工程、業務知識・業界知識、開発規模、自己研鑽ですね。

のりっく自己研鑽って大事なんですか?

A子要素例えば金融業界の官庁系をやっていて、VB.NETをやっていたとかいう人でも、大学では数理計算、統計とか専攻していて、自己研鑽ではRubyやっていて、Githubでもソースコードを公開していて、テックの入賞経験もあるとかだったら、書類は全然通るイメージがあります。

のりっくでは逆に、27~28歳以降だと、自己研鑽していてもあまり意味がないということですか?

A子要素そうですね…よっぽどすごくないと… でも、そんなすごい人って転職市場にはいないです(笑 転職市場には、中小企業のSIerの人が多いんですね。そう考えると、そんなにすごいレベルで自己研鑽やっている人にはまず合わないです。

「ちょっとJava書いています」「ミサイルゲームを家で作ってみました」とか、そういう人は多いんですが…

のりっくそういうレベルでは足りない?

A子要素足りないですね(笑 逆に、人気企業にける人は2パターンだと思っています。1つは、Web系の中小企業に入って、Webサービスをやる。もう1つは大手から請け負ってやっている企業に入る。

私の以前の支援した方だと、ホテル・レストラン予約のWebサービスを請け負っていて、その予約部分のメインのところをやっている企業に入って、そこをまさに担当させてもらっているという事例があります。その人は、SIerで食べログのようなレストラン予約の開発をやっていたことがあって、転職先企業から「まさにその技術が必要」とぴったり一致していたので、お呼びがかかったということがありました。

のりっくなるほど、中小SIerにいても、Web系の企業の案件に関わっていたことがあれば、Web系の企業に転職しやすいということですね?

A子要素そうです、行きやすいですね。

SIerとWeb系でのエンジニアの働き方はどう違いますか?

A子私がキャリアアドバイザーをしていて、今、SIerにいて、これからWeb系の企業で働こうとしている人へいつも伝えていた事をお話しします。

金融系システムを作っていたというSIerの人がけっこういらっしゃるのですが、Web系に行きにくい理由があります。それが、働き方の違いです。

金融系は「間違えてはいけない」システムになります。「正しいことがすべて」「正しいことが大事」なんですよね。だからこそストレスが溜まって、「こんなシステムが作りたんじゃない!」と転職したくなる人が多い印象です。そのように、「とにかくゆっくりでいいから、正しく作る」というのが大事なところから、Web系にいくことになります。

一方、Web系のB to Cビジネスのエンジニアは、「すぐに公開して」「すぐに運用に乗せること」のように、とにかくスピード速く、どんどん公開してトライ&エラーで「サービスを育てていく」という意識を強く持つ必要があります。そのため、採用担当者の人からは、「開発スピードが全然合わない」と言われてしまいます。

最も大きい違いが、このスピード感です。これまで正しく、正確のためにはスピードが犠牲になっていたところが、真逆の世界になります。

のりっくなるほど、SIerでは確かにその傾向がありますね。採用面接では、スピード感についても、自分はついていけるということを証明する用意をしておいた方がよさそうですね。

転職エージェントと企業の採用担当者間で、年収の交渉ってどうやるんですか?何を話すんですか?

のりっく私が転職していたとき、面接で必ず聞かれたのが「希望年収」なのですが、いつも「エージェントに任せています」と答えていました。ふと気になったのですが、エージェントに任せたところで、年収ってアップしてもらえるものなんですか?そもそも、交渉できるものなんですか?

これは、面接に通過して、内定をもらったという前提での質問です。

A子交渉はしますね。転職エージェントとしても、転職希望者に「気持ちよく意志決定していただきたい」という思いがあります。「この金額だったらぜひ行きたい」と思ってもらいたい、「内定が出たら即決してほしい」こんな思いです。

なので、採用担当者に転職希望者の意向を伝えるときに、「この金額だったら意志決定すると言ってますよ」とお伝えしています。

また、採用担当者が「この人欲しいんだけど、いくらぐらいだったら来てもらえるの?」と聞かれたりするので、そこで、「この金額を下回ったらまず来てもらえません」「この金額だったら行くと言っています」「この金額からこの金額の間だったら悩むと言ってますよ」ということを伝えます。その上で、「もうちょっと何とかならないのか」「ずばりこの金額を出して欲しい」というような交渉をしています。

のりっくなるほど。転職を決断してもらわないと、エージェントの収入にならないので、超大事な仕事ということですね。よく分かりました。おそらく、転職市場の相場というものがあるので限度はあると思いますが、やはり年収を交渉してもらえるのは、エージェントを利用する超大きなメリットだと私は思っています。

転職する意思があまりなく、話を聞いてみるだけ、求人票を見るだけという理由でも、エージェントに登録していいですか?

のりっく転職エージェントに未登録の人は、エージェントに登録するのはハードルが高いと思っています。エージェントは転職決定しないとお金が発生しないわけですし。でも、Web系には将来的に行ってみたいとなんとなく思っているだけの人でも、エージェントに登録していいんですよね?

A子あっ、はい、そうですね、これはしてもらっていいですし、した方がいいです。

のりっくした方がいい?

A子した方がいいですね。

のりっくWelcomeな感じなんですか?

A子そうですね。会社としてはWelcomeです。キャリアアドバイザー個人としては、転職決定につながらないと自分の業績にならないというのはあります。それでも、転職意思が固まっていなくても、活動してみることで見えてくることは沢山あると感じています。

のりっくそれは私も本当にそう思います。

A子そうなんです。今、何かしらモヤモヤしていて、「活動してみようかな」「活動した方がいいかな」と悩んでいるから相談に来られるエンジニアも多いんですね。

そのようにモヤモヤしている状態で、転職活動をしてみて、いろんな会社を見た上で、「やっぱり今の会社がいいな」と思って今の会社に残るというのも、1つの良い決断だと思っています。また、活動してみると、自然と自分の市場価値というのがわかってきますので、それが確かめられるというのも得られることの1つです。それも全然いいことだなと私は思っています。

「モヤモヤしている」という状態の人もたくさん相談に来られるので、まず私はその話をします。すると、活動してみて、その結果上であげたことに気づかれるという方が多いです。

のりっくそうですよね。私も転職する気がなくても、エージェントと話をするのは有意義だと思っています。「自分のやりたいこと」に考え、「自分の人生」について見直すきっかけにもなったからです。

Web系の企業の採用面接を通った人は、どんなことを話していますか?

A子SIerと違って、特に「技術」の話で盛り上がれるといいです。技術の話で「おっ!こいつすごいな」みたいに思われるといいですね。

SIerの質問になくて、Web系である質問として、例えば「技術選定って誰がしてたの?」「なんでその技術を使おうと思ったの?」「なんでその仕事内容でその技術を使ってるの?」って聞かれます。

そういう質問は、「技術のことにどれだけ関心を持ってやっているか」という、転職希望者の技術への興味を知ろうとしています。

そのときに、「いや、上が決めたんで」とか、「もう決まってたんだ」とか、そういう回答だとNGです。「いや、こういう理由で」とか、「こういう点(速い/可読性が高い/など)でこの言語の方がよいから」と答えられると良いです。

技術選定をしたことがあるかではなく、『「技術」について敏感かどうか』が問われています。正直、転職エージェントに面談にくるSIerの人で、自分で技術選定している人っていないです。ですが、「技術」に対する強い意識や、新しい技術にセンサーを張っている人かどうか、が採用担当者の見たいポイントです。

そういう事に答えられると、採用担当者に「おっ!この人は考えながら仕事しているな」と評価されて採用に至ることができます。すべてのWeb系の企業でそこまで求められるかというと、そういうわけではありません。

小さいWeb系の企業だと、「Javaが書けたらいいよ」というところもあります。

のりっくえ?そんな企業もあるんですか?

A子ありますあります。小さいスマホアプリとか、カレンダーとか体調管理のアプリ作っていますぐらいの企業だと、そこまで難易度の高い技術は必要ありませんよね。そういう会社だと、業務系システムを作ってきた人でも、「1人でJavaを使って開発できる」であればとりあえずOK!そんな会社はあります。

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